今般、監視とプライバシープロジェクトチームでは、欧州委員会の関係各位に対し、以下のレポートを提出しました。本レポートは、日本政府が発出した、2018年9月14日付「法執行及び国家安全保障目的の日本の公的機関による個人情報の収集及び使用」と題する報告書(「本件政府報告書」)の問題点などを指摘する、いわゆるカウンターレポートです。
本件政府報告書は、欧州の「一般データ保護規則」(General Data Proteciton Regulation,“GDPR”)に定められた、いわゆる「十分性認定」を受けるために、日本の関係する複数の省庁を作成名義人として、欧州委員会委員宛に送付された書簡に添付されたもので、その表題のとおり、警察をはじめとする法執行機関や、安全保障機関における個人情報の取り扱いについて、日本の法制度や実務を取りまとめて報告するものです。
2019年1月23日、日本の個人情報保護委員会と欧州委員会は、相互に十分性認定を行いましたが、その際、本件政府報告書は、欧州委員会が日本の個人データの保護水準を認定するにあたり、重要な基礎資料とされました。
しかし、当プロジェクトチームとしましては、本件政府報告書は、主に日本の刑事手続における個人情報の取り扱いについて、実態と異なる記載ぶりになっており、少なくとも誇張等がみられるほか、多くの点で、本来記載されるべき記載の欠如や、実態とは大幅にニュアンスが異なる記載等が認められるものと考えております。
本件政府報告書の記載に対し、実務家にとって暗黙知とされている事実を指摘することで、今後行われる欧州委員会における十分性認定の更新審査がより正確かつ適切なものとなること、及び本レポートで指摘する本件政府報告書と日本における個人情報保護の実態との乖離を埋めるべく日本政府が適切な措置を講ずることを願い、本レポートを関係各位に送付するとともに、本ウェブサイトにおいて公表する次第です。なお、作成にあたり、JCLUのインターンシッププログラムに参加した一橋大学ロースクールの学生の皆様にリサーチ等のご協力をいただきました。また、一般社団法人LEDGEに所属する弁護士の方々より、英訳版に関しリサーチやコメント等のご協力をいただきました。厚く御礼申し上げます。
日本において、EU市民を含めたすべての人々に対して高い水準の個人データ保護の基本権保護が確保され、日本法とEU法の「本質的同等性」が維持されることを願っております。
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