1947年に創立された、人権擁護を唯一の目的とした人権NGOです

情報公開・知る権利

情報公開とは、国政・市政などに関する情報を国民・市民に公開することです。読んで字の如しですが、十分に実現されていないのが実情です。それは、秘密を欲する官僚機構に光を当てる劇薬だからでしょう。

現に法制化されているのは、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(いわゆる情報公開法)と「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」だけです。とはいえ、この情報公開法が国民の知る権利を具体化する一歩となったことは確かです。

「知る権利」は、憲法21条が明記する表現の自由の一内容であり、自己実現・自己統治の重要な手段です。国民・市民が国政・市政などについて情報を十分に公開されることにより、1人1人がその情報を吟味した上で適正な意見を形成することができるようになります。情報公開は、国民・市民による国政などの監視・参加を充実させるものです。国政・市政の分野は行政に限られるものではなく、立法や司法の分野もあります。ですから、行政機関の情報公開だけでは、国民の参加が十分確保されたことにはなりません。JCLUは、国会や裁判所の情報公開法制化のための立案にも取り組んでいます。

ショートヒストリー

自由人権協会は、1979年9月に「情報公開要綱」を発表し、同年11月に「情報公開制度を考える集会」を開催しましたが、この集会を一つのきっかけとして、市民レベルで情報公開法を求める動きが盛り上がり、集会に参加した市民団体などを中心に、80年3月に「情報公開を求める市民運動」が結成されました。

「市民運動」は、81年1月、「私たちは、知る権利を具体的に保障する制度が人権と民主主義に不可欠であることを確信し、すべての公的情報を自由に請求し利用する権利をもつことをここに厳粛に宣言する」とする「情報公開権利宣言」(PDF)のほか、例外的に非公開にできる情報を定める場合には必要最小限度とすること、国民生活に重大な影響を及ぼす事項に関連する情報などの絶対的公開、個人情報は原則として非公開とするものの、当該個人から請求があるときは公開しなければならないこと、公的機関の情報保存義務などを謳う「情報公開八原則」(PDF)を発表しました。

「市民運動」は、まず、住民に密着した行政を行っている地方自治体においてこそ率先して情報公開制度を設けるべきであるとして、各地の住民運動団体に対して、各地で情報公開条例の制定運動を広めることを提唱しました。法律の制定については、80年ころは、政権交代の可能性がない状態では困難であると予想されていたが、93年の選挙によって自民党単独政権が崩壊して新たな流れができ、96年3月までに国会に提出されることになりました。99年5月に「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が成立(施行は2001年4月)したことをきっかけに、「市民運動」は、「情報公開クリアリングハウス」というNPOに発展的に解消されました。

情報公開請求結果の公表

情報公開・個人情報保護小委員会は、今後、独自に行った情報公開請求の結果をJCLUホームページ上で公開していく予定です。

「死刑・刑場写真」情報公開請求で入手!!

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情報公開・個人情報保護小委員会

行政機関の情報公開の再検討、国会・裁判所の情報公開法立案などに目配りして、情報公開制度全般の充実に向けて調査・研究をしています。情報公開と個人情報保護とは表裏の関係にあります。2005年4月に施行された個人情報保護法の運用の監視活動も行います。2005年から、情報公開小委員会から情報公開・個人情報保護小委員会へ名称変更しています。

情報公開・個人情報保護小委員会への参加はJCLU会員に限定されています。会員登録はこちらへ。

出版物

情報公開条例の運用と実務―情報公開法要綱案と情報公開条例(上・下)
MEMOがとれない-最高裁に挑んだ男たち-

あの判決の日から、日本の裁判所でメモを取ることができるようになった。法廷でメモを取る自由を求めて、最高裁に挑んだ原告と代理人たちの記録。

ローレンス・レペタ,三宅弘,山岸和彦,鈴木五十三,秋山幹男,喜田村洋一/著

情報公開法をつくろう――アメリカ情報自由法に学ぶ-

アメリカ情報自由法を紹介しながら日本での情報公開法の制定を訴えた、エイブラムス、ネーダー両弁護士の来日講演を収録。協会の情報公開制度の調査・研究の成果を資料として収録。情報公開法制定活動のテキストとして最適。

情報公開はなぜ必要か 岩波ブックレット

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