2024年
2024年10月27日に投開票が行われる衆議院議員選挙とともに、最高裁判所裁判官の国民審査が行われます。
国民審査では、各裁判官を罷免する(やめさせる)かどうかを、国民が投票します。国民審査は、個々の裁判官につき、10年に1回しか行われず、現状では、事実上、在任中1回しかありません。
国民審査の判断材料の1つとして、それぞれの裁判官が、最高裁判所裁判官に就任して以降、どのような判断をしてきたのかを知ることは、とても有意義だと思います。
そこで、今回国民審査の対象となった最高裁判所裁判官の関与した判例を、主に人権の観点から分析をした記事を掲載します。
参考にしていただければ幸いです。
なお、今回の分析は、JCLU広報部会が実施しました。個々の判例に関するコメントは、JCLUとしての見解ではなく、広報部会独自の見解であることをご理解ください。
今回の国民審査の対象となる裁判官は、6名です。
しかし、このうち3名は、2024年4月以降に就任したため、分析の対象とすべき主だった判例が見当たりませんでした(但し、石兼公博裁判官は、就任から約3か月後の旧優生保護法国賠訴訟大法廷判決に名を連ねています。)。
分析対象とした裁判官3名が、第1及び第2小法廷のみに所属していたため、分析対象に、第3小法廷の判例が含まれていません。
分析対象となる判例が見当たらない裁判官については、最高裁判所のWebサイトに、過去の経歴等が掲載されていますので、国民審査の投票の際に、参考にしてみてはいかがでしょうか。
【審査対象裁判官】(カッコ内は、出身。なお、以下、敬称略)
- 今崎幸彦(裁判官)長官
- 尾島明(裁判官)
- 宮川美津子(弁護士)
- 石兼公博(外交官)
- 平木正洋(裁判官)
- 中村愼(裁判官)
【評価の対象とした判例】
- 議員定数不均衡
- 性別変更手術要件違憲訴訟
- 辺野古埋立地用途変更等承認代執行訴訟
- 犯罪被害者の同性パートナーへの犯罪被害者給付金支給
- 職種限定合意がある場合の配転命令
- 性別の取扱変更をしたトランスジェンダー女性に対する認知請求
- 旧優生保護法国賠訴訟
※各判例の分析には、主に、当該判決に関与した審査対象裁判官を記載しています。各判決には、審査対象裁判官以外の裁判官も関与しています。