※7月16日開催のシンポジウムの会場登壇者が追加となりましたので、再度ご案内申し上げます。

概要

  • 日時 2016年7月16日(土) 14時半~17時
  • 会場 専修大学神田校舎5号館561教室
  • 資料代 1,000円
  • 主催 情報公開クリアリングハウス
  • 共催 自由人権協会、専修大学文学部人文ジャーナリズム学科

申込

事前のお申込みは「こくちーず」からお願いいたします。

開催にあたって

情報公開クリアリングハウスが、イラク戦争検証報告書情報公開訴訟を提起して間もなく1年になります。

イギリスで行われていたイラク戦争の検証報告書が7月6日に発表される予定です。資料も含めて200万字以上とのことです。

なぜ、イギリスが検証することになったのかは、イラク戦争がいったいイギリスにとって何だったのかということと一体のものです。

一方の日本は、外務省が内部で検証を行ったものの、その報告書は非公開となり、現在、情報公開クリアリングハウスを原告に情報公開訴訟中です。訴訟を通じて報告書のごく一部が公開されましたが、本文は17ページというものでした。

日本にとってのイラク戦争とはいったいなんだったのか。なぜ日本は本格的な検証を行わないのかを考えるシンポジウムを開催します。

開催日は7月16日(土)14時半から。

内容は、第1部でイラク戦争検証報告書情報公開訴訟で何が争われているのか、一部公開されている行政文書からわかることを報告。

第2部は、イギリスの政治の中でなぜ検証を行うことになったのかを成蹊大学教授の高安健将さんに、イラク戦争はイギリスにとって何だったのかを英米関係という視点で毎日新聞の笠原敏彦さんに、日本のイラク戦争とは何だったのかを元内閣官房副長官補の柳澤協二さんにお話しいただきます。

プログラム

1 イラク戦争検証情報公開訴訟と情報公開文書

  • 出口かおりさん(弁護士、イラク検証報告書情報公開訴訟弁護団)
  • 三木由希子(情報公開クリアリングハウス理事長、専修大学非常勤講師)
  • コメント 礒野 弥生(東京経済大学教授、情報公開クリアリングハウス理事)

2 セッション:日本とイギリスのイラク戦争の検証―イラク戦争とは何だったのか

  • 笠原 敏彦さん(毎日新聞編集編成局紙面審査委員兼編集委員)
  • 柳澤 協二さん(国際地政学研究所理事長、元内閣官房副長官補)
  • 高安 健将さん(成蹊大学法学部教授)

3 イラク戦争の検証と報告書をイギリスはどう受け止めたのか

(イギリスからのskype中継で調整中。調整がつかない可能性もあります)

登壇者プロフィール

笠原 敏彦さん

毎日新聞紙面審査委員兼編集委員。

95年4月外信部配属 97年10月~02年9月ロンドン 特派員。ブレア政権の政治・外交、ダイアナ後の英王室、北アイルランド和平など英国情勢のほか、遊軍記者としてアフガン戦争、コソボ紛争などを現地で長期 取材。2002年10月 外信部副部長。05年4月~08年3月ワシントン特派員 。ブッ シュ政権の外交を担当。大統領の外遊先約20カ国に同行。

主な課題はイラク戦争、北朝鮮核問題など。08年大統領選前半も取材。08年4月外信部副部長。09年4 月~12年3月 欧州総局長(ロンドン)として欧州7支局を統括。12年4月~外信部編 集委員。13年4月~ 編集編成局編集委員(オピニオンG統括)。
著書に「ふしぎなイギリス 」(2015年 講談社現代新書)

柳澤 協二さん

1946年生。元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長。国際地政学研究所理事長。「自衛隊を活かす会」代表。

1970年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。2004年から2009年まで第二次・第三次小泉内閣、第一次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣で内閣官房副長官補として安全保障・危機管理関係の実務を担当。

著書に 『検証 官邸のイラク戦争 元防衛官僚による批判と自省』(2013年、岩波書店)、『亡国の集団的自衛権』(2015年、集英社新書)、『新安保法制は日本をどこに導くか(さよなら安倍政権)』(2015年、かもがわ出版)、『自衛隊の転機―政治と軍事の矛盾を問う』(2015年、NHK出版新書)などがある。

高安 健将さん

成蹊大学法学部教授。1994年、早稲田大学政治経済学部卒業、1996年、同大学院政治学研究科修士課程修了。

1997年よりロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)政治学部博士課程で学び、2003年、ロンドン大学博士号(PhD inGovernment)取得。北海道大学大学院法学研究科講師、成蹊大学法学部助教授などを経て、2010年から現職。著書に『日本政治を比較する』(早稲田大学出版部/2005年/共著)、『首相の権力―日英比較からみる政権党とのダイナミズム』(創文社/2009年)、『EU/西欧』(ミネルヴァ書房/2012年/共著)など。

イラク戦争検証報告書情報公開訴訟とは

情報公開クリアリングハウスが2015年7月に国に対して提起をした情報公開訴訟です。

2012年12月に外務省がまとめたイラク戦争の検証報告書は概要4枚が公表されただけで、報告書そのものは公開されませんでした。情報公開請求に対し、報告書などを外務省が不開示としたため、提訴に踏み切りました。

日本の安全保障政策が大きく転換していく中で、大量破壊兵器の使用・拡散防止、テロとの戦いとして国際的な合意のないまま始まったイラク戦争を支持し、その後の復興支援で自衛隊を派遣したことについて外務省がいったい何を検証したのか。安全保障・外交分野は非公開や秘密保持を当たり前のようにして政策判断が行われていますが、その反面として政府が十分な説明責任を果たすことなく、外部からの批判的な検証をまぬがれて独占的に判断し、それが無条件に正しいことであるかのようになっています。そのため、安全保障・外交分野は歴史検証の文脈に押し込められていますが、一方で、国際社会の情勢の変化は早く大きく、早いサイクルでの安全保障・外交上の政策判断の検証と教訓、批判的検討を行う必要が生じてきています。このような問題意識から、情報公開訴訟を係争しています。

なお、この情報公開訴訟は自由人権協会からの支援を受けています。

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